萩の郷土料理
萩の郷土料理「ちしゃなます」に使われるちしゃは「かきちしゃ」といわれる山口県の伝統野菜。葉のふちが赤茶色で縮れの多いチリメンちしゃで、程よい苦みとほのかな甘みが特徴です。
その「かきちしゃ」をちぎって酢みそやゴマなどで和えた「ちしゃなます」は、和えた後もシャキッとした歯ごたえが残り、甘酸っぱいタレとかきちしゃの苦みが絶妙な組み合わせ。
焼き魚をほぐしたものやちりめんじゃこを加えることが多く、栄養価も高いため、昔から広く親しまれている萩伝統の家庭料理です。別名「ちしゃもみ」ともいわれています。俳人・種田山頭火も、「ふるさとは ちしゃもみがうまい ふるさとにゐる」と俳句に詠んだ郷土の味。
かつて萩をはじめ山口県では、家々の庭でこのちしゃが自家栽培されていましたが、近年はあまり見られなくなりました。現在では手に入れることが難しくなった「かきちしゃ」ですが、サニーレタスやグリーンレタスを使って郷土料理の味を伝え続けています。