笠山椿群生林(萩市指定天然記念物)
笠山の北端(虎ヶ崎)10haの広さに、約25,000本のヤブツバキが自生しています。
笠山は、萩城から見て北東(鬼門)の方角に当たるので、江戸時代には萩藩はこの山の樹木の伐採や鳥獣の捕獲を禁止していました。そのため、この一帯は人が立ち入らない原生林であり、椿は大木に覆われていました。
その後、明治になってその禁が解かれたため、大木は切り倒されて用材や薪になり、その後は幾度も「薪の畑」として伐採を繰り返しましたが、高度経済成長により燃料としての役目は終り、椿はヤブの中で沈黙の時代に入りました。
昭和45年に、萩の椿の調査に訪れた著名な椿の研究家の助言を受け、萩市では雑木の伐採、観光道路の整備などに力を注ぎ、現在の「笠山椿群生林」となりました。
平成14年8月1日に市指定天然記念物に指定され、椿は萩市の花に制定されています。
整備後50年以上を経て、樹勢の衰えや病状が見られるようになり、群生林の再生のために一部萌芽試験を行っています。
およそ10haの広さに約25,000本のヤブツバキが自生しており、12月頃から3月下旬にかけて可憐な花を咲かせます。
笠山椿群生林では何度も伐採が行われ、切られるたびに交配を繰り返したために、さまざまな特徴あるヤブツバキが誕生しました。花の形や色、咲く時期や葉の特徴などから60タイプに分類される多様性に富んだ花を見ることができます。
群生林内には遊歩道が整備されており、自由に散策することができます。メジロやヒヨドリなどの鳥のさえずりが響き渡り、すっと伸びる背の高い椿の幹が遠くまで続いている光景はとても印象的です。
普通、メジロは眼の周りは白いのですが、椿群生林のメジロは、椿の花の蜜を吸うために目の周りに黄色い花粉がつくため、よく見るとメギイロ(眼黄色)になっています!
笠山椿群生林のヤブツバキは、樹高が10mを超えるものもあり、こんなにも背が高いです!
例年12月頃からヤブツバキの開花がはじまり、2月中旬~3月下旬にかけて椿の見頃を迎えます。
椿の開花については、毎年「開花宣言」が行われています。
開花宣言について
- 笠山椿群生林では、約10haの敷地内に約25,000本のヤブツバキが自生しています。例年12月上旬から4月上旬にかけて椿の花を見ることができますが、気象条件によりその年の開花時期が変わるため、萩市では、平成11年(1999)から基準木7本を指定し、基準木すべてが花をつけたときに椿の開花宣言を行っています。
笠山椿群生林のヤブツバキは、一本一本の木が大きく、たくさん花をつけますが、一度には咲きません。12月頃の開花宣言から4月までの4ヶ月間も咲きますので、長い期間花を楽しむことができます。
椿は花が落ちる際に、花ごと形を保ったまま落ちるので、椿の木の樹上に咲く色鮮やかな椿の花はもちろん、強風の翌日の朝には “落ち椿”が地面を赤く彩る光景もお楽しみいただけます。
*「落ち椿」に出会う条件* ①花が咲いている3月中旬以降(※年によって異なります) ②前夜に強い風が吹いた翌日 ③早朝 |
椿みどころ案内人
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椿の開花期間中、観光客の皆様に萩の椿と自然と文化をより深く理解していただくため、「椿見どころ案内人」が群生林内をご案内します。
椿の開花期間(12月上旬~3月下旬)
申込み/NPO萩観光ガイド協会 電話0838-25-3527
(予約制 ガイド料2,000円)椿まつり期間中の土・日・祝日
10:00~15:30
申込み/椿まつり会場にて受付(予約不要 無料)