5月頃白い花を咲かせる萩の特産品・夏みかんのなる風景
夏みかんの原樹は、長門市仙崎の大日比(おおひび)にという所にあります。萩に伝わったのは文化初年(1804)頃で、楢崎十郎兵衛(江向)が、大日比の友人から贈られた数個の果実から得た種子を蒔いたという記録や、熊谷家(今魚店町)では料理に使われていたり諸家に配ったという記録が残っています。
夏みかんは、江戸時代の終わり頃には、萩の武士や大きな商人の家などに植えられていたそうです。
明治9年(1876)には小幡高政が、藩からの禄を失って困窮していた士族救済の為に、士族授産結社「耐久社」を結成して夏みかんの増殖普及を図り、空いた武家屋敷の庭などを利用してこれを育てました。最初人々は半信半疑でしたが、高政の熱心さで年とともに栽植する者が増加し、明治10年代には萩の町はほとんど夏みかんで埋めつくされるまでになりました。
萩の町に定着している「土塀と夏みかん」の風景は、堀内や平安古、城下町エリアで多く見ることができます。夏みかんは花期と収穫期をほぼ同時に迎えるため、「昨年と今年の実が“代々”なる」ことから、「ダイダイ」と名付けられています。毎年5月上旬から中旬にかけて白い可憐な花を咲かせ、町は甘くさわやかな香りに包まれます。
▼萩といえば夏みかん!のひみつ
熊谷家住宅(熊谷美術館)
かんきつ公園
小幡高政が建てた「橙園之記」と刻んだ石碑があります
基本情報
電話番号 | 0838-25-3139 (萩市観光課) |
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住所 | 萩市堀内地区、平安古地区、城下町エリアなど |